土屋つかさの技術ブログは今か無しか

土屋つかさが主にプログラミングについて語るブログです。

Unity2019.Xについての根拠の無い国内展開予測12個

 ツイッターで「今年の技術発展予測をして年末に答え合わせすると自己認識のキャリブレーションになる」というのを見て、面白そうだったのでUnityについて考えてみました。Unity2019.Xが採用する技術と、その国内での展開の予測です。当然ながら(?)主にシェーダー 周り。

 どうせ大半が外れるだろうから、断定調で書いています。新春の運試しとして記録しておき、年末に答え合わせをしたいと思います。

1・SRP(Scriptable Render Pipeline≒HDRP/LWRP)は仕様の更新が2020年まで継続し、既存メカニズムからの移行には至らない。
2・少なくとも国内での遅延シェーディングの年内の普及は無い(これはSRPへの移行が遅れるため、現状のフォワードレンダリング環境が継続する)。
3・少なくとも国内でのHDRテクスチャの年内の普及は無い(同上。リニア/ガンマ空間への理解が進む程度)。
4・SRPはShaderGraph(シェーダーのノードエディタ)に依存しない設計にシフトする(せざるを得ない)。
5・ShaderGraphはVR視差対応で足踏みする。調べていないけどノードエディタはシェーダーバリアントの対応が大変そうな印象。
6・DirectX Raytracing(DXR)へは年内は対応できない。「VR対応が非現実的」「マルチプラットフォーム対応が非現実的」「開発コストが高すぎて採用できるメーカーが無いため優先度が低い」などが主な理由。
7・ECS(Entity Compornent System)は年内はPreviewが取れない。取れたとしても商業ゲームで普遍的に使えるメソッドは年内には誕生しない。
8・Visual Scriptingは年内にはPreviewが取れない(これは公式の予定)。恐らく2020年中も無理。2020年中に取れたとしても商業ゲームではAI制御など極めて限定されたタスク処理での利用になる(それだけでも十分実用になる)。
9・VRMは一部のアプリのみで利用が継続されるか、あるいは汎用性を上げるために仕様が骨抜きになり、いずれにせよ現状のフォーマットのままでは普及に至らない(VRMの仕様を詳細に確認しているわけではありません)。
10・VRMとは別にシェーダーやダイナミックボーン、服の着せ替えなどに対応できる3D中間フォーマットが誕生しそう。これはファイルフォーマットというよりはUnity内でのツリー構造規約(現状のHumanoidルールがより厳密になったもの)のようなものになる(それがVRM2となる可能性もあるがそうはならなそう)。
11・AR/VRの機能追加は市場が求めているので進みそう(希望含む)。
12・国内ではvTuber/VRChatを中心にモダンな3D描画技術への理解が進み、商業ゲーム界隈よりもこっちでノウハウの集積や新技術の発展がありそう(希望含む)

参考

Unite Los Angeles 2018 - Unity 2019 R&D Roadmap
https://www.slideshare.net/unity3d/unite-los-angeles-2018-unity-2019-rd-roadmap
2018年11月にUnity公式が行った2018.3~2019.xのロードマップ